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川勝知事失言問題 静岡県はなぜリニア反対派の川勝知事を選んだのか?

今回は今話題のあの人、川勝平太 静岡県知事を取り上げたいと思います。

 

 

川勝平太静岡県知事とはどのような人物か

川勝知事は静岡県で長年首長を務めている、元大学教授です。

早稲田大学で教鞭を取り、その後静岡文化芸術大学の理事長となりました。

静岡県知事としての任は2009年7月から始まり、2024年4月13日現在まで続いております。

ちなみに、静岡文化芸術大学静岡県浜松市の大学で、1500人程度と学生数・学科数こそ少ないものの、一応公立大学となっています。

川勝知事の前任者である石川元静岡知事も静岡文化芸術大学の理事長でした。

 

川勝知事とリニア問題

最近はリニア問題で取り沙汰されていました。

大井川水域の水枯れ問題を懸念し、リニア工事を許可しなかったという問題でした。

これについて、多くの関係者から批判がなされました。

「工期が遅れることにより経済的損失を考えろ」という指摘が多くありましたが、地方自治を考えると難しい部分でもあります。

なぜなら、リニア開通による日本全体の利益に比べ、静岡県民が被る不利益の方が大きいと考えられる場合、首長としては反対意見を出すことが当然といえるからです。

沖縄問題や福島原発問題にも通ずる部分ではありますが、日本の利益のために特定の地域に負担を押し付けるのは好ましい状態ではありません。

私たちは生まれながらにして平等であることが決まっています。これはグローバルな視点で見ても、ほとんどの国に共通する価値観である現代の"立憲主義"思想です。

すなわち、リニア開通による国益のために静岡県が不利益を被るいわれはないのです。

そしてこれは、単純にメリットデメリットの大きさで決めて良いものでもありません。

国益と個人の利益を比較すると、概して国益が優先されてしまいます。

例えば、犯罪捜査という国の利益と、個人のプライバシーを天秤にかけてみると、前者が優先されがちです。

犯罪捜査の必要があれば、民家に無断で立ち入って良いでしょうか、スマートフォンの中身を勝手に見ても良いでしょうか、そうはなりませんね。

このように、国益と個人の利益を比較する場合、単に両者の利益の大きさで決めるのではなく、様々な観点から慎重な検討が必要になります。

この考え方は、国の県の利益であっても妥当します。

国全体の利益と静岡県の利益を考えた時に、前者がより重視されることは明白です。

しかし、だからといって当然に物事を推し進めて良いことにはなりません。

より安全な方法はないのか?水が枯れないエビデエンスはあるのか?果たして静岡県を通る必要があるのか?

考えることは山積みです。

このように考えると、必ずしもリニア工事を認めない川勝知事の姿勢を一方的に非難することはできないことになります。

 

もっとも、川勝知事は過去に様々な失言があったとされています。

 

過去の失言

それでは、どんな失言があったか振り返りましょう。

 

御殿場市コシヒカリしかない発言

選挙応援中に御殿場前市長をされていた方の存在を念頭に出てきた発言です。

御殿場市には何もない、という趣旨のようです。

 

菅義偉、学術会議問題

菅義偉という人物の教養のレベルが図らずも露見したということではないか」

 

・「今年の漢字」発言

今年の漢字は「水」とした。台風等の話に加え、その理由の一つとして、

牧之原市の幼稚園で、いたいけな子どもさんが熱気の中である意味水分を全部、体内から吸収されてお亡くなりになった、それもある意味で…広い意味で『水』と関係していると思う」などと発言

 

・文化水準発言

磐田は文化(水準)が高いんですよ。浜松より元々高かったわけでしょ」

 

・職業差別

最近ニュースになった発言です。辞職決断のきっかけにもなったようです。

県庁に入庁された新規職員に対してこう語りました。

「毎日、毎日、野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたりとか、あるいはモノを作ったりとかということと違って、基本的に皆様方は頭脳・知性の高い方たちです。」

 

学術会議の件などは、ご自身が大学教授であったことなども関係しているのではないでしょうか。そう考えると、何となく理解できなくもない部分もありました。

もっとも、職業差別発言などは擁護も難しい気がしました。

なぜこのような発言を繰り返してしまうのかは謎ですが…

 

それでは最後に、なぜ静岡県民は川勝知事を選んだのかについてまとめます。

 

静岡県民が川勝知事を選んだ理由

静岡県は田舎ということもあり、自民党も強い地域です。そんな中で、なぜ自民推薦でもない川勝知事が選ばれ続けているのでしょうか。

理由1 地元と縁がある

これは田舎では非常に強力になります。縁もゆかりもない人には冷たいのが田舎の特徴です。そんな中で、静岡文化芸術大学という公立大学の偉い人という肩書で投票率が上がっていると考えられます。

 

理由2 民主党系の推薦があった

いくら川勝知事でも、最初から単独ではキツイ戦いであったと思います。

最初の段階で民主党からのバックアップを受けることができたため、足場を固めることができたと考えられます。

一言でいえば、反自民党色のある方の応援を受けることができたということですね。

推薦を受け、菅直人など大物政治家の選挙応援などもありました。

 

理由3 対抗馬がショボすぎる

これは一番大きな理由だと思います。

静岡県知事選は、立候補者が極めて少ないです。

二人、多くて三人といったところ。1回目の県知事選では候補所が4人でしたが、共産党の方は得票率わずか3パーセント台と、いないも同然でした。

その後の2~4回目の選挙を見ると、対抗馬がよくわからない地味な人ばかりです。

得票率では、2回目約70%、3~4回目60%と危なげなくぶっちぎり当選を果たしています。

もう少し政治力のありそうな方が対抗馬となっていれば、川勝県政はもっと早い段階で終わりを迎えていたかもしれませんね。

 

まとめ

長い間静岡県の顔として活躍された川勝知事に迫りました。

賛否両論のある方ではありましたが「顔や名前を知ってる」という方は日本全国でもそこそこいるのではないでしょうか。

力強い発言が多い知事でしたので、もう少し県政での結果も出してほしいところでした。

静岡県政の課題としては、しっかりとした立候補者に出てきてもらい、県をリードしてもらう必要がありそうです。

人口流出が続き、衰退の一途をたどる静岡県静岡市浜松市を含め、県全体が一丸となって頑張ってほしいものです。

 

何はともあれ、長い在職期間のお勤めと県政へのご尽力は否定できません。

川勝知事、お疲れさまでした。

 

 

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